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No.304 10月30日(火)統計は時代の鏡

統計と聞いただけで“拒絶”派も多いと思いますが、
統計は時代を表す指標、鏡です。
明治時代、国際社会の一員となるには
基礎自治体の統計の整備も重要項目でした。
1903年(明治36年)10月30日の今日、
『横浜市第一回統計書』が横浜市より発刊(発表)されました。

民間シンクタンクでも多くの調査データが発表されていますが、
行政の統計は様々な用途に使われる重要な基礎資料となります。
日常必要としない限り余り関心の無い分野ですが、
どのようなデータが集約されているのか?
知っておくことが「市民」としての“力”となります。

一昔前の横浜市発行の統計書

国の統計は「総務省統計局」が管理しています。
http://www.stat.go.jp

今日は、横浜市の“統計”について紹介しましょう。
横浜市の統計を管轄している部署は横浜市 政策局 総務部 統計情報課です。インターネットが整備されるまで、統計は印刷物を通してしか入手することができませんでした。しかも市町村によって入手できる指標にバラツキがあったり、予算が無いため閲覧しかできない時代もありました。
近年、基礎自治体の統計はネット上でかなり入手する事ができます。エクセルでの提供で加工もできますが、フォーマットは(継続性?)どうも扱いにくいので表にしたり読み解くには一苦労するので敬遠されるのでしょう。
それでもかなり良くなった方です。
横浜市の統計は、
http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/stat/
で入手できます。
総務部 統計情報課の仕事は、地味な部門ですが、国の統計の基本となる自治体の基本調査(国勢調査を含む)から市独自の調査まで幅広い領域の「統計」を扱っています。
人口、経済、社会、文化など各分野にわたる基本的な統計資料を総合的に収録したものが「横浜市統計書」で、年一回発行されます。
初版が1903年(明治36年)10月30日に刊行されました。
現在(2012年)は第90回版が刊行されています。
1903年+90回=1993で計算が合いませんが、発行数が少ないのは、震災や戦争によって発刊されない年があったからです。
戦前は発行サイクルが現在程厳密ではなかったようで、発行年が時にまちまちになっていました。

戦後は1953年(昭和28年)に第34回統計書が初めて発刊され、35号は三年後の1956年(昭和31年)となりますが、以降現在まで毎年発刊されています。
(明治と平成比較)
最新の「横浜市統計書(第90回)」と第1回の目次を比較してみました。
総目次(第90回)
 第1章 土地及び気象 
 第2章 人口
 第3章 事業所
 第4章 農林業及び漁業
 第5章 工業
 第6章 商業及びサービス業
 第7章 金融及び保険
 第8章 貿易及び港湾
 第9章 道路、運輸及び通信
 第10章 建物及び住宅
 第11章 電気、ガス及び上下水道
 第12章 物価及び家計
 第13章 労働
 第14章 社会福祉
 第15章 衛生及び環境 
 第16章 教育及び文化
 第17章 司法及び治安
 第18章 市民経済計算
 第19章 財政
 第20章 選挙、議会及び市職員
【明治36年第一回統計書の総目次】
 第1章 土地(気象)
 第2章 人口
 第3章 教育
第4章 社寺(神社・寺院・その他】※
 神社が優先されています。神仏分離令がここに現れています。
 第5章 警察
 第6章 兵事
 第7章 商業
 第8章 外国貿易
 第9章 工業 
 第10章 銀行及金融
 第11章 交通及運輸
 第12章 郵便電信及電話
 第13章 土木及築造
 第14章 衛生
第15章 救育
※救育とは恵まれない児童を引き取り,育てること。
 救育を行った人には表彰規定もあったようです。
 第16章 財政
 第17章 議員及び市吏員
 第18章 文書
※ほぼ構成は変わっていないようです。

当時の統計データにはこんなものも。失踪多かったんですね。

(おすすめ)
ケータイ版統計メールマガジン「はまめるポケット」配信サービス
http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/stat/ml/mag-p.html
横浜を語る時!便利ですよ!
数字で横浜を知る事も重要です!!!
ネットからは
分野別、キーワード別、区別に入手できます。
さらに分野は限定されますが町丁別の詳細データもあります。

(余談)昔はこのデータを印刷物で購入し、
白地図にマーカーでマッピングを一週間やっていた時代もありました。
今は全てネットで入手し
PCで処理できますから便利ですね。

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