横浜名物の一つにサンマー麺があります。寒い日のサンマー麺は心底温まります。
サンマーは漢字で「生馬麺」「生碼麺」と書きます。どちらがそもそも「サンマー麺」を表したのか?定説はありませんが、横浜市中区の中華料理店から戦後まもなく現在のスタイルが発祥したと云われています。
サンマー麺は<横浜生まれ>のグルメアイテムの一つです。
一方、担々麺の美味しい店も多いのも横浜ならではの特徴です。
日本の担々麺のルーツは?
http://ja.wikipedia.org/wiki/担担麺
「日本の担担麺は、麻婆豆腐と同様に、四川省出身の料理人陳建民が日本人向けに改良した作り方を紹介して広まったと言われる。」
中華といえば<中華街>ですが、私の記憶では中華街の多くのお店で<担々麺>が表メニューとなったのはここ20年以内の現象ではないかと思います。
1980年代、中華街の担々麺は板場料理から常連の<裏メニュー>そして90年代に登場した比較的新しい<和製中華?>ではないでしょうか?
<サンマーミエン>
「生馬麺」は広東語の読み方で「生=サン 馬=マー」と呼び広東料理の仲間ですが、
元々は「新鮮でしゃきしゃきした」具を“載せ”た麺を表したようです。
一方「生碼麺」は、
同じく広東語で「サンマーミエン」と発音しますが、「碼」の意味は長さの単位、数字の番号、部屋番号を表したり、港の<埠頭>を指す意味で使われているそうです。
「横浜の多くの埠頭で働く労働者が好んで食べたところから、この字が使われるようになった」と言う説もあり横浜港の<へそ>大さん橋ふ頭に「生碼麺」は似合う?料理かもしれませんね。
(サンマー麺の定義)
サンマー麺には厳格な<定義>がないところが魅力かもしれません。
基本条件:
ベースが醤油味であること。最近では、塩味のサンマー麺もありますから拡張していますね。
具は「肉」と「しゃきしゃきもやし」、「白菜程度+ちょっとした具」
これらを「あんかけで綴じた」麺
ということです。
「かながわサンマー麺の会」
http://www.sannma-men.com
サンマー麺発祥の店にも諸説あるそうですが、
有名なのが 伊勢佐木の「玉泉亭」です。
「戦後当店先代が考案し「生碼麺」と命名。由来は「生」(野菜)「碼」(具を載せた)麺という意味から付けられたと云われる。(現店主が先代より聞いた話として)戦前、中華街の「聘珍樓」にもメニューに「生碼麺」サンマーメンがあったが当時のレシピも残っておらず、価格が「柳麺」ラーメンの倍以上であることから、今日のサンマー麺とは別物だった可能性もあると云われている。」
と大店「聘珍樓」とは一線を画していますが、真偽の程はわかりません。
「大沢屋」
「創業は1953年。多くの常連客に愛され続けて60有余年のサンマー麺の店。 あっさりとしてコクと旨味のある醤油スープは、何度食べても飽きない味です。「安く美味しく」をモットーにこれからも腕を振るいます。 皆様のご来店お待ちしております。」
(中華の粋)
サンマー麺、担々麺は日本で生まれた中華料理の一つですが、中華料理の奥深さはどこの国においてもその国にある美味しい食材を<料理メニュー>する食への誘い力にあります。近年「中華料理」「中国料理」と区別されて表現されるようになってきました。ある定義では「中華料理」は「日本向けに味付けや調理法が工夫された料理」、「中国料理」は「中国本来の料理」といわれるようになってきました。
私は「中華料理」の包容力が好きです。「中国本来の料理」=中国料理という表現も中国の多様性を狭めているように思います。「広東」「四川」「北京」「江蘇」「浙江」「湖南」等々 地域の味を持っています。また世界各国で華僑の先人たちがアレンジしてきた美味しい料理も数多くあります。
と 難しく考えるより 美味しい味を楽しむことができる<横浜中華料理>のメニューがさらに広がると良いですね。