東名高速道路横浜町田インターと国道16号線が交わるところにポツーンとバス停があります。神奈中「南01」系統で、「若葉台中央〜南町田駅」を結ぶ短い路線です。
この路線
2018年(平成30年)11月現在 一日 しかも休日昼頃に1便だけ運行している不思議な路線です。俗に言う路線維持赤字路線かもしれません。東名インターとバス停に関して古い資料を少し探ってみました。
<東名横浜町田インター>
元々バス停名は写真の通り「東名横浜インター」でしたが登録バス停名は表題の通り
「東名横浜町田インター」と改名されています。東名高速を使った高速バスのバス路線がありインター出口に高速バスの「東名横浜」停留所があり、ここから在来の連絡路線が「若葉台中央〜南町田駅」南01系統です。
2015年(平成27年)では平日1本、土曜1本、休日1本の計3本運行を確認できました。
2016年(平成28年)では平日1本、休日1本の2本に。
そして現在は 休日の1本のみとなっています。廃線直前の路線ですが、路線を維持する理由があると思われますが、不明です。
このバス停
横浜市緑区長津田と東京都町田市鶴間の境目に位置しています。
横濱界隈ブログですので
「東名横浜町田インターバス停(東名横浜インター)」の位置は横浜市内か東京都町田市内かという疑問を調べてみました。
[結論]横浜市緑区長津田 国道16号線保土ヶ谷バイパス上り線
横浜市内の一日一便路線であることがわかりました。これで他にもあるのか、俄然調べてみたくなりましたが歩いて偶然発見していく方法で他の極少路線と出会うことが愉しみです。
このバス停を含め近辺の歴史も調べてみました。
この路線が誕生した背景には東名高速道路の開通があります。
東名高速道路横浜町田ICが1968年(昭和43年)4月25日に開通します。
翌年、高速道路を使った
東名ハイウェイバスが運用開始し、「東名横浜」バス停が設置されますが、周辺にアクセス手段が全く無く、バス連絡を必要としたのではないか、と推察できます。
ここは最寄り駅「南町田駅」まで約1kmです。途中厚木街道「東名入口」交差点にもバス停が無く”不便さ”は拭えません。一方、1979年(昭和54年)に分譲が始まった若葉台団地は始発本数の多いターミナル機能を持ったところです。若葉台中央乗換で横浜線「十日市場」、相鉄線「三ツ境」に出ることが可能ですが、ハイウェイバス開業から10年の時間差があり、また乗換の不便さが残ります。なぜ若葉台経由路線が組めなかったのか不思議ではあります。
東名ハイウェイバス「東名横浜」バス停は1999年(平成11年)に廃止されます。
廃止された要因は横浜インターの恒常的渋滞と最寄り駅へのアクセスの悪さと思われますが、逆によくぞ99年まで継続したとも言えるでしょう。
東名ハイウェイバスが運用時には、古い航空写真・明細地図等から「待合室」があったようです。
バス停周辺は近郊農業の耕作地とインター名物のラブホが林立し、工場・倉庫がある程度です。
未完成の環状4号線、保土ヶ谷バイパスの立体化の遅れなどが重なり、インターチェンジ機能がフルに発揮できなかったこともこのエリアが孤立化してしまった要因といえるでしょう。
現在保土ヶ谷バイパスの二期立体化も進み、瀬谷の米軍用地返却で環状4号線も潤滑化され、今後10年で予測すると大きな変化が起こる可能性がでてきました。
<関連史>
■大和バイパス
1968年(昭和43年)3月 開通。4月25日運用開始。
東名高速道路との接続幹線道路、国道16号のバイパス道路として大和市つきみ野から上川井ICが開通。
1968年(昭和43年)4月1日
田園都市線 「長津田駅〜「つくし野駅」延伸開業。
1969年(昭和44年)6月10日
東名ハイウェイバス「東名横浜」バス停供用開始。同時に東名江田バス停も供用開始。
■保土ヶ谷バイパス
1970年(昭和45年)着工
1974年(昭和49年)9月
狩場IC〜上川井IC間が全面4車線開通
1976年(昭和51年)10月15日
東急田園都市線「南町田駅」開業
1979年(昭和54年)
県営「若葉台団地」分譲開始。計画当初「市営地下鉄」計画があった。
1997年(平成9年)
横浜町田立体完成供用および下川井I.C~上川井I.C間6車線化供用
4月1日 新設の横浜青葉インターチェンジとの区別のため横浜町田インターチェンジと改称
1990年代 間05系統 鶴間駅東口 → 東名横浜インター → 鶴間駅東口 廃止
1999年(平成11年)1月31日
東名ハイウェイバス「東名横浜」バス停廃止
2015年(平成27年)
環状4号線、公田交差点から南河内交差点までの4車線化が完了し、整備地区全線で4車線化供用開始。
2016年(平成28年)3月
環状4号線未整備区間(上瀬谷地区)が開通。