No.210 7月28日 (土) 小さな巨人

2011年(平成23年)7月28日(木)〜8月2日(火)の6日間国際的な切手の祭典「日本国際切手展PHILANIPPON2011」が横浜で初めて開催されました。

郵便趣味を略して郵趣と言います。日本国内では、かつて鉄道系と双璧の人気カテゴリーでしたが、近年電子化と郵政事業の合理化で郵趣人口は減少しているのが現状です。
しかし
国際的にはいまだ多くのファンを持つ歴史ある趣味の世界です。国際切手展PHILAは、国際郵趣連盟(FIP)の加盟国(87の国及び地域)の切手を海外に普及するため、持ち回りで開催している国際展です。

日本では、1971年、1981年、1991年、2001年と10年おきに東京で開催、今回初めて横浜開催が実現しました。
今回のテーマは「小さな切手が世界をつなぐ」パシフィコ横浜展示場を開場にして6日間行われました。

切手コレクションの展示、世界の切手商マーケット、記念イベント、横浜観光コーナー、臨時郵便局(記念切手の発売、風景印、特別消印)等々。

一般入場者の最大イベントは、54カ国の郵政事業者を「切手パスポート」を持って(入場券に対し1冊)各国の切手を購入しながら特別消印を集めるスタンプラリーです。

一国あたり100円(確か200円もあった)、全て回ると5400円はかかってしまうがつい夢中にさせてしまいます。

今回の目玉はムーミン切手とスタンプ、長い行列ができていました。

開場には特別ポストが設置、指定日の風景印が押印されるサービス。ここで暑中見舞いをまとめて出しました。

(外国郵便といえば)
横浜は幕末から外国商館が各国領事館より一足早く進出し、国際交易を始めた街です。
交易には通信が欠かせません。1860年代すでに電信が実用化されていましたが、安くて確実な郵便による通信は各国が個々に居留地で行っていました。
1871年(明治4年)の3月1日、日本国内に逓信制度が導入されましたが、海外郵便は各国まかせでした。
1875年(明治8年)1月にアメリカの郵便を日本が取り扱うようになり、順次1879年(明治12年)にイギリス郵便局、翌年の1880年(明治13年)にはフランス郵便局が廃止され、外国郵便は完全に日本で取り扱うようになりました。
1875年(明治8年)に外国郵便を日本で初めて開始したところが現在の「横浜港郵便局」です。
ここには「外国郵便創業の局」のプレートが埋め込まれています。

(切手の力)
郵便の持つ趣味のコンテンツ力はいまだ強力なものがありますが現在の日本郵政はまだまだ工夫が足りません。(余地がいっぱいあります)
“お役所仕事?”だった郵便事業にファン重視、地域コンテンツとの連動性に長ける要素を併せればさらに重層的なカテゴリーに成長することは間違いありません。
歴史ある郵趣組織も大切ですが、ぜひ新しい視点で郵趣コンテンツを地域コンテンツと連動させるダイナミックな改革をして欲しいと願う次第です。

郵趣の王様消印コレクション
この本でつい横浜市内の郵便局が気になり始めました
切手は小さなメッセンジャですが、巨人でもあることを実感しました。

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