【番外編】コンパクトディスクと蚊取り線香

CDと蚊取り線香。(今日は横浜とは関係ありません)
ふだん一緒のステージに立つ事の無い二つのツールが同じサイズであるのは何か人間工学的な共通項があるのだろうか?
ふとした疑問に気づきました。

蚊取り線香の缶はメディア保存に最適!?

両者をちょっと調べてみました。
■CD
(英: Compact Disc)とはデジタル情報を記録するための円盤型のメディアです。皿メディアと呼ばれていた時代があります。光ディスク規格の一つでレコードに代わり音楽を記録するため、ソニーとフィリップスが共同開発したことに始まります。
当初フィリップス社が開発していたコンパクトカセットの対角の長さと同じ直径11.5cmに対し、ソニー側が収録できる時間の延長を提案したことにより直径が0.5cm増えて12cmとなった経緯があります。
この12cmサイズはスーパーオーディオCD、DVD、DVDオーディオ、次世代DVD (Blu-ray Disc、HD DVD) などに使用され今後もメディアのスタンダードになっていくだろういわれています。
※コンパクトディスクのコンパクトは、当時フィリップス社が開発していたレーザーディスクに比べて小さかったことから命名されました。

■蚊取り線香
夏には欠かせない蚊取り線香。キンチョウ蚊取り線香の歴史より調べてみました。蚊取り線香の発祥の地は、大日本除虫菊株式会社創業の地、和歌山県有田市です。創業者 上山英一郎がアメリカの種苗会社から除虫菊の種を譲り受け有田で実用化したことに始まります。元々は蚤駆除用だった除虫菊を日本に多かった蚊の駆除用に転換できたことが成功の秘密です。
当初は一般の線香のように棒状でしたが1895年(明治28年)に渦巻き型の蚊取線香が誕生します。しかし中々実用化できず、試行錯誤を繰り返し
1902(明治35)年にようやく発売された日本生まれの商品です。
アメリカには現在Mosquito Coilとして輸出されています。
なぜ渦巻きか?
燃焼時間という壁をコイル状で解決しました。
当初は長さ58ミリ、燃焼時間6時間でした。
現在は長さ75ミリ、燃焼時間7時間ですが 直径はほとんど変わっていません(別にジャンボサイズが発売されています)。
(差別化)
1957(昭和32)年には機械化に合わせ、“ネジが緩む”と嫌われていた左巻きをあえて採用し、差別化を図ります。

ラベルのマークに(上山)の字が現在も入っていますが創業者の上山英一郎の名をデザインに入れています。
http://www.kincho.co.jp/factory/shiryou/shiryou01.html

(結論)
両者には 用途上も関係なさそうですが、ともに手のひらサイズを意識してこのサイズになっています。取扱を模索すると似通ったサイズに収斂されていくようです。
(余談)
マークに織り込む
これも有名なエピソードですが、横浜生まれの「キリンビールのラベル」にはキ・リ・ンの三文字が刷り込まれています。

この麒麟ラベルは1889年(明治22年)に太宰府天満宮の麒麟像がお気に入りだったグラバーの提案でデザインされたと言われています。
ラベルに用いられている麒麟の絵の中には隠し文字、カタカナの「キ」、「リ」、「ン」の文字は「当時のデザイナーが遊び心でデザインしたという説」と「偽造防止説」がありますが関東大震災で資料を紛失したため不明となってしまいました。この手の謎は解き明かされない方が面白いですね。
キ:耳と角の間
リ:たてがみの中央に横向き
ン:尾の上部
※ラベルの麒麟のひげは、創業に関わったグラバーのひげがモチーフだと言われています。

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