【番外編】資料探しの難しさ(一部加筆)

(ネット時代の情報検索)
インターネットによる情報探しにはかなり慎重さが必要になる。
便利な反面、意外な落とし穴が待っている。
まず、Wikipediaには幾つか注意しなければならない点がある。例えば数値が必ずしも合っているとは限らない。
過去に年月日表記の間違いを幾つか発見している。

次に、あるテーマに関して「一部の情報」または「一面的情報」しか掲示されていない場合も多々ある。
例えば、「川上音二郎」の表記で横浜、茅ヶ崎での活動、足跡が一切無いのは不自然といえる。
記述は福岡県関係の資料オンリーである。(20120310時点)

注目度の高いテーマ、かなり専門家が関わっている場合は情報の熟成度が高くなるが、慎重に二重の確認が必要かもしれない。
(ゴミ屑)
ネットのもう一つの危険性は、誤植や一時期の間違いがそのままネット上に残されている点だ。
身近でその基本的な正誤を知っている場合は修正が効くが、真偽を確かめる方法が必要になって来る。
神奈川県のサイトで下記の記事を発見した
*******
インターネット上の誤った情報にご注意を
・最近、インターネット上のフリー百科事典や掲示板等において、神奈川県青少年喫煙飲酒防止条例に関する誤った情報が見受けられます。
(誤った情報の主な内容)
・この条例により未成年者は調理師や製菓衛生師の受験ができない。
・この条例により飲食店や医療関係者等が行う仕入れや診察準備等の正当な業務に制限が生じる。
・この条例により県内の専門学校等に未成年者が在籍できない。
・これらの情報は、全て根拠のないものであり、この条例によって上記のような制限は発生しませんので、ご注意ください。

・関係する解釈については、Q&Aをご覧ください。
・この条例に関するお問い合わせ:神奈川県県民局青少年部青少年課
・調理師、製菓衛生師に関するお問い合わせ:神奈川県保健福祉局生活衛生部環境衛生課
**********(引用終わり)
(過去のゴミが生きている)
例えば オリエントホテル開洋亭はすでに廃業、取り壊されているが、資料画像のようなページが現存している。


複製情報の流布と拡散が情報構造を複雑にしている点が問題点として指摘できるだろう。エントロピーの法則ではないが、拡散した情報を消し去ることは皆無である。
記憶にではなくデジタルで深く記録されていくからだ。
これは厳密にいえばメディアの誤報にも言えることでで、これからのメディアの責任として誤報の修正は十分に行う必要があると私は考える。
従前では、メディアの修正や謝罪はすごく地味に小さく露出する傾向にあるが、ネットが全てアーカイブ機能を持っている以上、情報拡散へのなんらかの対策も必要になってくるのではないか。
ある種のデマ、陰謀説、都市伝説もネットである時に真実かのような牙をむき出しにしてくる。虚偽のローンダリング機能の危険性についても意識する必要がある。

飲食店とネット評価の危うい関係もそろそろクラッシュする頃だと感じる。参加型なり取材型の評価軸がゆらぎつつある。どこが評価されたかではなく、誰が評価したかに傾斜しつつあるからだ。食など価値観に影響される分野を投票や安易な評価で尺度かする無意味さにそろそろ気がついても良い頃だろう。作為的な情報操作も検証の術を得ていない。
例えばザガット・食べログ等の限界がそうだ。
サーベイを世論調査と同様というが果たしてそうだろうか?
食に民主主義的なるものが通じるのだろうか。
ラーメンならラーメン、カレーならカレーというったカテゴリーを切って掘り下げる傾向は面白い。レストランという大まかなくくりでランキングする時代はもう終わったのではないか。

テーマを戻す。
検索サイトは最近どうも結果表示に不自然さを感じるのは私がすでに最新の検索エンジン及び検索サイトの運営方針についていけないからだろうと思うが、冗長的というか余計なものが多すぎる。
この中から欲しいものを探し出すには、以前よりも経験と時間が必要になってくるから皮肉だ。
ネットライブラリーにはレファレンスサービスが(ほとんど)無い。
ダイレクトに情報に行き着くように仕組まれる。
電子資料の二次化がもう少し充実していく必要があるだろう。
その意味で 初期のオールアバウトには期待していたのですが…

一方で
一次資料のデジタル化(アーカイブの整備)が進んでいることは大変評価できる。
これはデジタル文化の最大恩恵だ。
大学図書館、専門図書館(資料室)及び関係者の努力に対し御礼を言いたい。

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