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No.25 1月25日 馬車道の華

「横浜の酒場に 戻ったその日からあなたがさがして くれるの待つわ昔の名前で 出ています」 (「昔の名前で出ています」作詞星野哲郎、作曲叶弦大、編曲斉藤恒夫) 小林旭のヒット曲です。
資料を探していると、地名や施設名が時を経て変わることが往々にしてあります。
名称の変化は時代を特定するヒントになりますが、逆に事実が見えにくくなることもあります。 でもこれが歴史を調べる時の愉しみのひとつです。
1970年(昭和45年)のこの日、中区馬車道にある「横浜宝塚劇場」が改装オープンし「市民ホール」となりました。その後
1986年(昭和61年)に老朽化などを理由に新しく建て替えられたのが現在の「関内ホール」です。 「横浜宝塚劇場」から「市民ホール」へ。そして現在「関内ホール」として馬車道の華となっています。

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個人的には常々「馬車道ホール」という名が良いなと思っています。 正式名称は「横浜市市民文化会館」といいます。指定管理者でテレビ神奈川が管理していますから「馬車道TVKホール」ってネーミングライツしたらどうでしょう?(そんな話しは出ていません。)

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馬車道界隈は開港のころ、文字通り「馬車」が走り抜け大きな金融機関、様々な商店が立ち並ぶ最先端のガス灯が明るいモダンな通りでした。
横浜開港場には外国船が停泊するイギリス波止場とは別に、国内をつなぐ船が数多く利用する日本波止場がありました。馬車道はこの日本波止場と居留地を支えた関外エリアをつなぐ吉田橋を一直線に結ぶ開港場のメインストリートでした。
戦後その界隈性を残すため、いち早く通りをモール化した都市デザインの先駆的商店街でもあります。現在も万国橋からイセザキまで、ブラリ歩きには最高の道です。

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昔から 賑わいには劇場がつきものです。
1935年(昭和10年)4月1日、横浜宝塚劇場(通称ヨコホウ)が住吉町4-42に開館しました。1スクリーン、1,305席(別資料では1,440名)を擁する大劇場・映画館でした。
「関内馬車道に出現した待望の東宝直営横浜宝塚劇場はいよ々々明後四月一日咲く桜に魁て華やかに蓋を明ける。昨年十月廿八日着工して以来、完成開場まで僅五ヶ月といふスピード建築の恐らく記録をつくつた清水組設計に成るこの横宝劇場は鉄筋鉄骨コンクリートの三階建で建坪四百十坪、延坪八百三十坪収容人員は千四百四十名このうち階下が九十一名定員となつてゐる(後略)」(『横浜貿易新報』1935年(昭和10年)3月30日付)
劇場前にあったうなぎの老舗「わかな」が人気の店だったとあります。 現在はすこし場所が移動しています。
劇場には食も欠かせませんね。

戦争を挟んで人気劇場でした横浜宝塚劇場は、
1960年(昭和45年)横浜市に譲渡され改装「市民ホール」としてオープンします。
その後、
1986年(昭和61年)宝塚劇場時代から約50年経たこともあり老朽化などを理由に建て替えが行われます。 これが現在の「関内ホール」です。
関内ホールと言えば、正面玄関と楽屋口の赤いオブジェでしょう。
この赤いオブジェは第13回 高松宮殿下記念世界文化賞を受賞した世界的彫刻家マルタ・パン(Marta Pan)の作品、「平和1」「平和2」です。(時には近づいてみましょう)
座席数は1,102席。主に落語などの寄席、ミュージカル、演劇、講演会等に利用されています。
志の輔の横浜拠点、関内寄席 『立川志の輔 独演会』はもう何回目になるでしょうか。 ホール玄関前広場の「馬車道ショートパフォーマンスライブ」も大きく育って欲しいと思います。ヨコハマ映画祭も1987年以降関内ホールで開催されています。

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■今また、このホールを軸に馬車道の賑わいが欲しいものです。
※番外編
もう一つの馬車道映画館。
戦後横浜で映画と言えば、馬車道の横浜東宝会館でした。東宝会館は1956年(昭和31年)3月27日に開館しイセブラと映画鑑賞が当時の定番デートコースとなりました。残念ながらシネコン時代の到来とともに2001年(平成13年)11月29日に閉館し、現在はビジネスホテル「リッチモンドホテル(オープン当時はロイネットホテル)横浜馬車道」が建っています。

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(ホテル外観)
 
冒頭の歌詞に関して
引用としての利用(著作権法第32条)許諾を得ずに複製、口述などによる引用ができる条件に入っている?引用も文化論として議論すべきテーマかな。
①公正な慣行に合致する引用であること
(自分の著作物と他人の著作物との間に妥当な主従の関係があること)
(引用する部分が明確に区分されること)
②引用の目的上正当な範囲内で行われること(引用の必然性があること)
③公表された著作物の利用であること
許諾を得ずに引用できる場合であっても、原則として出所を明示しなければならない

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