田園都市線沿線の小さな駅「市が尾駅」周辺を紹介しましょう。
「市が尾駅」は
1966年(昭和41年)4月1日に田園都市線が長津田まで延伸した際に開設されます。
田園都市線の駅間距離が1km前後中心ですが、
隣接駅「江田」へは1.3km、「藤が丘」へは1.5kmと平均より長くしかも起伏のある傾斜地に作られた「駅舎」です。
昔、マーケティングの師匠の教え
「鉄道、国道は川と同じ。地域をつなぐが分断もする。橋が無ければ万里の長城、文化も変える」
「市ケ尾駅」に降り立つとこの言葉を思い出します。
田園都市線はほぼ「国道246号線」に沿って走っていますが、都内の地下路線を除いて「江田駅」とともに246号線に最も近い駅です。
鉄道=田園都市線、国道=246号線が
このエリアを南北に走り、
しかも西側を「一級河川鶴見川」が北から南に流れ“地域を分ける要素”が揃っています。
これは決して悪い意味ではなく、横浜市内の田園都市線沿線としては昔の香りと新興住宅地の香りが併存している独特の街に感じます。
旧道、そして河川敷の佇まい。
起伏のある丘陵地帯と、そこに広がる新興住宅地。
典型的な「郊外の街」とも少し違う街の佇まいがあります。
鶴見川に沿って散策していくと鉄(くろがね)町、さらに上流には寺家のふるさと村もあり、横浜の“原風景”を巡る最適なルートです。
「市が尾」は不思議な町です。
青葉区内の田園都市線各駅「青葉台」や「あざみ野」「たまプラーザ」と比較して小さな町ですが、
青葉区の行政上の中心地域としての顔があります。
○横浜市青葉区総合庁舎
市内18区の中でも、青葉区役所は解りにくい(行きにくい)ベストスリーに入るかもしれません。
○横浜市青葉福祉保健センター
○横浜市青葉スポーツセンター
○横浜市青葉公会堂
○横浜市消防局 青葉消防署
○青葉郵便局
○神奈川県警察 青葉警察署
○横浜地方法務局 青葉出張所
○神奈川県 緑県税事務所
○緑税務署
と行政の施設が集中しています。
また1998年(平成10年)3月に
東名高速道路 横浜青葉インターチェンジが開通したことで、交通の要衝になります。
(古代史の街)
市ケ尾他鶴見側流域には、古代遺跡が数多く発見され、残されています。
市が尾駅からほど近いところにある「稲荷前古墳群」は珍しい中規模古墳で、当時の生活圏の大きさ(統治者の規模)を測ることができます。15〜17号墳の3基が保存されていて中でも16号墳は全国的にも珍しい方墳と方墳が線で結ばれたような形をしています。
http://kofun.info/kofun/213
また「市ヶ尾横穴古墳群」は、有力な農民の墓として6世紀後半から7世紀後半の古墳時代末期に造られたと考えられています。派手な「古墳群」ではありませんが、このエリアを歩いているとひと際良くわかる“こんもりとした丘”が「古墳群」として残されています。一部は開放されていて無理をすれば横穴に入ることもできます。(子供であれば難なく)
中にはガラス窓から横穴を覗くこともできます。
http://kofun.info/kofun/573
(ついでに)
駅から1分のところにある「市が尾第三公園」のオブジェ
「市が尾ベーカリー」
地元で信頼のあるパン屋さんだそうです。
“人気の”という枕ではなく“信頼の”というところがミソですね。
ご夫婦二人で、切り盛りされています。
→駅から徒歩7分位
「田園の憂鬱」
No.472 横浜と法政大学、その点と線
ここでも書きましたが、佐藤春夫が一時期暮らしていました。
「田園の憂鬱」の舞台となりました。
「とんかつ とん平」
なかなか丁寧な仕事ぶりで、
地元に愛されている感じが伺えるお店です。
→駅から徒歩5分位
※「市が尾駅」特に「わざわざ」行くところではありませんが、
時にぶらっと立ち寄ってみたいところです。