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No.421 ふぞろいの隣人たち?

「鋭い電車の警笛。
下り急行電車から見た天王町駅前のスカイビル第一第二第三と続くアパート群、みるみる角度をかえていく。」

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山田太一作品、フジテレビで1983年(昭和58年)に放映されたテレビドラマ「早春スケッチブック」の冒頭シーンです。
視聴率としては苦戦をしましたが、視聴者から大きな反響を呼び山田太一代表作『ふぞろいの林檎たち』へと繋がっていきます。

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早春スケッチブック

この「早春スケッチブック」の舞台となったのが、相鉄線「希望ヶ丘駅」。
登場人物の設定には実在の会社、学校等が使われ不思議なリアリティに包まれた作品でした。


望月家四人
父は八千代信用金庫瀬谷支店
長男は神奈川県立希望ヶ丘高等学校
異父兄弟の長女は横浜市立南希望が丘中学校
母は希望ヶ丘商店街にある花屋でパート勤め
といった家族構成が登場します。
あらすじはここでは紹介しませんが、80年代の家族の姿を山田太一流に料理した秀作として評価されています。

脚本家山田太一は、倉本聡と並ぶ80年代90年代を代表する作家ですが
(現役で現在も両者、時代への問いかけ作品を書かれています)
脚本家“山田太一”のドラマデビューは木下恵介アワー「三人家族」です。
この作品の舞台は60年代の横浜です。
DVDを見直してみると、様々な横浜エピソードを掘り起すことができます。
→「三人家族」については次号で紹介します。

もう一つ、
60年代の相鉄線を舞台にしたドラマがあります。
1967年(昭和42年)10月29日放映の連続テレビドラマ「泣いてたまるか」の一作です。
タイトルは「ある日曜日」
脚本は映画監督木下惠介が担当しています。
監督は大槻義一
出演者は渥美清、市原悦子、新克利、清水良英、中村美代子、野中マリ 他
「ある日曜日」はこのシリーズでは珍しくシリアスな社会批判で、悲劇として描かれています。
相鉄線で横浜駅まで出る!シーンがありますが 駅はどこか?
未確認ですが鶴ケ峰と天王町間あたりの感じがします。
作品では家族揃って「横浜駅前」のデパート(たぶん髙島屋)にショッピングに出かけ、そこで悲劇の事件に遭遇するという筋立てです。


シリーズ「泣いてたまるか」は
野村芳太郎、橋田壽賀子、早坂暁、山田洋次、清水邦夫、橋本忍、山中恒、佐藤純彌、深作欣二、木下惠介、山田太一、内田栄一

戦後日本を代表する脚本家・映画監督が名を連ねる実験ドラマでした。
TBS系列で1966年(昭和41年)から1968年(昭和43年)まで放映され、1話完結形式の連続テレビドラマで渥美清、青島幸男、中村嘉津雄が主演を務めます。
このドラマから渥美清と山田洋次のコンビが生まれ、「寅さん」に繋がったドラマでもあります。

「泣いてたまるか」の中で、渥美清が先生を演じるシリーズがありました。
「先生ラブレターを書く」(橋田壽賀子)
「先生ニッポンへかえる」(深作欣二)
「先生海で溺れる」(佐藤純彌)
「先生勇気を出す」(家城巳代治) 他

ここに登場する高校が、開通したばかりで造成真っ盛りの田園都市線「青葉台」を舞台にしていました。

(さらに舞台としての横浜)
1980年(昭和55年)にフジテレビ系列で放映された事件モノに
『87分署シリーズ・裸の街』

警視庁(東京管内)87分署が都内設定で横浜青葉台が舞台として使われました。
昔の記憶なので曖昧ですが 確か警察署が「横浜加田町署」で(加賀町警察)を想定?していたような気がします。TBSと横浜は縁が深く

No.76 3月16日 東京放送と横浜市

1981年(昭和56年)の3月16日
横浜市青葉区緑山に(株)緑山スタジオ・シティ(MSC)が竣工しました。
ここで「ふぞろいの林檎たち」「金曜日の妻たちへシリーズ」が生まれました。
※横浜ドラマといえば 「あぶない刑事」ですがここでは触れませんでした。

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