10月17日は水道の日です。
1887年(明治20年) 10月17日のこの日、横浜市に日本初の近代的な上水道が完成します。
水量の豊富な相模川と
道志川の合流する場所から
野毛山にある貯水池まで導管を敷き
この日、横浜市街に給水が開始されました。
道志の取水口 |
水道の話しは何回か紹介しています。
No.152 5月31日(木) もう一つの近代水道発祥の地
1987年(昭和62年)5月31日横浜市保土ケ谷区川島町522に横浜水道記念館がオープンし開館式典が行われました。
No.151 5月30日 100年前の先見性
1916年(大正5年)5月30日付けで道志村水源林を横浜市が買い上げる契約が結ばれた日です。
そして、
横浜が自信を持って誇れる時代に先駆けて近代水道が稼働した日が 10月17日です。
この偉業が無ければ、横浜の発展は完全に望めなかったでしょう。
この日を横浜市は「水道の日」としました。
(ところが 国の決めた水道の日「水道週間」は6月1日から6月7日までの1週間です。所管は厚生労働省です)
http://www.jwwa.or.jp
※ちなみに東京都は1898年(明治31年)12月1日に通水しました。
良質の水が無いところに街は発展しません。
衰退するのみです。
世界中の国際港で良質の水源が(殆ど)無かった「港」は横浜だけでした。
※天沼の湧水。
ジェラールの造った貯水槽 |
「開港以来数年間、横浜市中の堀井は概ね塩気を含み、且、汚濁にして飲用に足るものは只二ケ所のみ、其一は町会所裏「現今本町一丁目一番地」(開港記念会館)
一は本町二丁目三井組「現今本町四丁目三井物産会社支店」前の堀井なり」
(水戦争)
開港場として 横浜は膨張しますが、水がありません。
居留地では水確保騒動が毎日のように起ります。
さらに居留地の周辺部でも人口増に水が確保できずに不衛生な状態が続きます。
当然「伝染病」が一度起ると一気に伝染し、横浜市は近代水道が完成するまでに何度も「コレラ」が発生し、ネズミによる「ペスト」も頻発します。世界一不衛生な港の烙印を押される寸前まで来ていました。
明治元年には二俣川より引水を試みますが、失敗します。
多摩川上水からの取水のために簡易水道を数年で完成させますが、不具合が多発し安定した給水は望むべくもありませんでした。
そこで専門家「パーマー」のアドバイスを仰ぎ、多摩川ではなく相模川上流に水源を求め、道志から野毛山まで40キロを超える工事に入ります。
当時の水道栓と同形のもの(道志村) |
そして、1887年(明治20年) 10月17日に
市内の水道栓から初めて水道水が溢れ出て街は歓喜に包まれました。