【横浜の橋】№6 大江卓橋1

今回「大江橋」をテーマにしようと思った。ところがスタートから躓いてしまったのでこのあたりを少し整理しながら「大江橋」を紹介していこうと思う。
長くなるので二回に分けたい。
前段は史実の整理なので後段の方が面白いかも。
■大江橋 誕生
まずは紹介されている「大江橋」のプロフィールから
「大江橋(おおえばし)は、神奈川県横浜市中区の大岡川に架かる、国道16号(尾上町通り)の道路橋である。中区桜木町一丁目と尾上町六丁目とを結ぶ。初代の橋は1870年に開通し、現在の橋は1973年に完成した4代目である。(wikipedia)」
◯初代
1870年(明治3年)新橋〜横浜間の鉄道建設が開始。
内田清七が吉田橋北詰から野毛浦・石崎までの埋立に着手。
※ここから先神奈川までが高島嘉右衛門によって造成。 関内と同様に現在の桜木町エリアは桜川・石崎川と大岡川に挟まれた島状だった。
横浜駅を作るにあたって関内と結ぶ橋が必要であるため
4月に内田清七が着工、5月「大江橋」完成。スクリーンショット 2016-02-06 16.58.54 初代は木造橋であった。
※この年代がPOINTあとで悩みの種となる。
1871年(明治4年)「弁天橋」完成。
1872年(明治5年)本町通・大江橋間にガス灯が点灯
◯二代目
1902年(明治35年)プラットトラス橋スタイルに架け替えられる。light大江橋11904年(明治37年)7月15日に横浜電気鉄道が初めて「神奈川〜大江橋」間に電車開通。
※なぜ?「神奈川〜横浜駅」ではなかったのか?疑問。
1905年(明治38年)7月24日に電気鉄道「大江橋」から大岡川を越え関内エリアに延伸。この時、大江橋の上に軌道を通すことができず、橋に並行して路面電車専用橋が架けられた。light20150710122357_0011915年(大正4年)8月15日
現在の地下鉄高島町駅付近に横浜駅が移転し二代目となる。
初代横浜駅は現在まで「桜木町」駅に改称。
この時鉄道の中心軸は現在の横浜駅方向に移動。
◯三代目
1921年(大正10年)に三代目架け替え工事着工。
1922年(大正12年)7月1日に完成。
横浜電気鉄道の事業を市が受け継ぎ市電となった路面電車の軌道も大江橋の中央部に移されることになる。
「大江橋」は初代から関内のウェルカムゲートの役割を果たしてきた。
※実質、港に近くビジネス街だった弁天通につながっていた「弁天橋」の方が交通量は多かったと思う。
「大江橋」は、(初代)横浜駅に降り立った多くの人を「関内」に招き入れてきたのだが、横浜駅が移動することで、少しずつ軸がずれていかざるを得なかった。
ここで敢えて横浜の中心地に相応しい<親柱>が求められたのか分からないが三代目「大江橋」には橋梁の親柱としては珍しい鷹のブロンズ彫刻「瑞鷹(ずいよう)」が飾られた。img117大江橋
全国の数ある橋の中でもこの大江橋のブロンズ像の威容はすごかったようだ。そろそろ東京との都市間競争(東京港開港問題)が表面化(激化)する中、横浜の力を示したかったのかもしれない。
スクリーンショット 2016-02-06 17.03.07「瑞鷹(ずいよう)」の作者は新海竹太郎(しんかい たけたろう)
慶応4年2月10日(1868年3月3日)〜昭和2年(1927年)3月12日
現在の山形県山形市生まれの彫刻家。
「初め後藤貞行に師事、次いで浅井忠にデッサン、小倉惣次郎に塑造を学び1896年に軍の依頼により北白川宮能久親王騎馬銅像を製作。彫刻家としての第一歩を示す。」「朝倉文夫・中原悌二郎・堀進二など多くの後進を育てた。」
朝倉文夫・中原悌二郎 両人も横浜と深く繋がっていく。
No.355 12月20日(木)瞑想・ザンギリ・赤い靴
http://tadkawakita.sakura.ne.jp/db/?p=232 竣工直後 関東大震災が起こる。
「大江橋」は被災しながらも崩壊は免れたが、「桜木町」駅舎を含め周囲は壊滅状態となった。この大江橋から先の関内地区も殆どが灰燼に帰した。lightよこはま絵葉書011 震災復興事業として修復工事が行われ、復活しその後横浜大空襲にも大きな被害を受けず昭和40年代まで現役で活躍する。
戦後の横浜大改造計画の中で「派大岡川」を使い首都高速道路地下化工事の折、架替計画が持ち上がった。
1973年(昭和48年)に完成した現在の「大江橋」はプレートガーダー橋で、両端の歩道の幅が大きく異なっている(理由はわからない)のが面白い。まだ、昔の橋脚跡が一部残っている。スクリーンショット 2016-02-06 16.10.31lightP3040133lightP3040139 (つづく)【横浜の橋】№7 大江卓橋2
http://tadkawakita.sakura.ne.jp/db/?p=8234

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