(あらためて解説表現を考えてみる)
「大岡川」とは?
こう尋ねられたときにどう答えるだろう?
一般的にはどう説明されているのでろう?
詳しくではなく 簡単にである。
てっとり早いのは<wikipedia>
「大岡川(おおおかがわ)は、神奈川県横浜市を流れ横浜港に注ぐ二級河川。上流の日野川と笹下川の合流地点より下流を本来は大岡川と呼ぶ。」
この説明ちょっと引っかかる。
ここで説明されているキーワードは
“横浜港に注ぐ二級河川”
“日野川と笹下川”
「本来は」 とある。日野川と笹下川の合流地点から下流が大岡川だと説明している。
<Wikipedia>では歴史的経緯から本来は<笹下川>の方が由緒ある名だと主張している。
無理無理の部分もあるが一読に値する。
基礎データにも相違が見られる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/大岡川_(神奈川県)
横浜市はどのような説明だろうか?
ワンキャッチフレーズには少し長い説明だが引用する。
(横浜市 環境創造局 大岡川水系)
「大岡川は、全長14.04km、流域面積27.25km2の二級河川です。
川のはじまりは,横浜で2番目に高い円海山(えんかいざん)にあります。山からしみだした水は氷取沢(ひとりざわ)市民の森を流れ出て、港南区の上大岡で日野川と合流し、南区で中村川と堀割川(ほりわりがわ)に分流します。大岡川の本流は、中区の日の出町、野毛の市街地(しがいち)を流れ、みなとみらい21で横浜港に注ぎます。
大岡川と中村川に囲まれたところには、伊勢佐木町(いせざきちょう)・馬車道・中華街・横浜スタジアムがあり、市役所や県庁・横浜税関(ぜいかん)・県警(けんけい)本部などもあります。大岡川は、横浜の心臓部にあたるところを流れる川といえます。」
キーワードはwikipedia に加え
全長14.04km、流域面積27.25km2
横浜で2番目に高い円海山
氷取沢市民の森
南区で中村川と堀割川に分流
みなとみらい21で横浜港に
大岡川は、横浜の心臓部
もう一つ区域の真ん中を大岡川が流れる港南区(南区もそうだが)はどのような説明をしているか?
(横浜市港南区)
「大岡川(おおおかがわ)
大岡川は、円海山周辺の金沢区、磯子区、港南区に源を発し、上大岡駅近くの笹野橋で合流、南区、中区を経て、みなとみらい地区で横浜港にそそぐ川です。
港南区内では、日下小学校前を流れる通称笹下川と、日野地区を源とする日野川がおもな流れです。
昭和44年から工事を始めた大岡川放水路は、下流域の洪水対策として平成 年に完成しました。
日野川の日野立体近くから笹下川打越付近を経て、JR磯子駅近くの磯子区森で根岸湾に注いでいます。」
さらにデータも用意されている。
管理区分: 二級河川・準用河川
起点: 大岡川:(磯子区栗木)
終点: 大江橋(中区)
河川延長: 14.04キロメートル
流域面積: 27.25平方キロメートル大岡川放水路
起点: 大岡川:笹下二丁目
日野川:日野五丁目
終点: 森
河川延長: 3.64キロメートル
大岡川は二級河川にあたるので管理は神奈川県が行っている。
神奈川県はどのような説明か?
神奈川県の説明もかなり長いので冒頭部分を紹介する。
(神奈川県)
「大岡川は、横浜市内の中でも豊かな自然の残されている磯子区の円海山(標高153m)の氷取沢にその源を発し、丘陵地帯に挟まれた谷を下り上大岡で左支川の日野川を合わせた後に、平地部をゆるやかに流下し横浜市南区山王町のお三の宮付近で中村川を分派し、横浜市中区の桜木町駅付近で横浜港に注いでいる。お三の宮付近で大岡川から分派した中村川はすぐに堀割川を分派した後に、大岡川の南側を大岡川とほぼ平行に横浜の中心市街地を挟む形で流れ、西の橋付近で堀川と名前を変え、中区の山下町で横浜港に注いでいる。堀割川は国道16号に沿って南下し、根岸湾に注いでいる。幹川流路延長は約14km、流域 面積約35.6km2 の二級河川である。」
河川図を見て分かるように
大岡川は支流が合流し、下流域で再度分流してるため説明が難しいので神奈川県の苦労がよく分かる。
これに続く神奈川県の説明からキーワードを一部列記してみる。
・大岡川流域は南北に長い形状
・横浜市西区、中区、南区、港南区、保土ケ谷区、磯子 区、金沢区、栄区の8区
・大岡川は住民の身近な河川
・港町横浜の発展を支えた運河の面影が残る川
・お三の宮から下流の大岡川と中村川に囲まれた区域は、江戸時代初めまで「洲乾の湊」と呼ばれた遠浅の入り江
・水上ネットワーク都市横浜 (その他の大岡川解説文)
■大岡川は横浜市南部の円海山を源流とする二級河川で、港南区や南区を通り、中区を抜けて横浜港へと至る。
かつて今の横浜港から伊勢佐木町あたりは入江の海で、中村川と分岐するお三の宮のある吉野町、蒔田公園あたりが大岡川の河口であった。
1656年(明暦2年)から材木商の吉田勘兵衛によって始められた新田開発により現在に続く地盤が造られ、それまで入江となっていたところの沿岸部が現在の大岡川と中村川となり、大岡川の河口も現在の桜木町辺りの下流まで延びた。
そんな大岡川は上流から中流にかけてはごく普通の河川と変わりないが、下流になると少々趣が異なってくる。
中村川と分岐し京急線と並行する南太田付近からは、春は京急線車内からもその美しい桜並木を堪能できる反面、近年まで黄金町から日ノ出町付近あたりには近寄りがたい、戦後から続く古い「昭和」の雰囲気が残っており、京急線のガード下から川沿いまで特殊飲食店が立ち並ぶ風俗エリアとしての顔をもっていた。(ヨコハマ経済新聞アンテナ)■下流が横浜のもっともメジャーな地区を流れる大岡川は全長14kmの典型的な都市型河川である。源流のある円海山は標高153m、磯子区峰町にあり、港南区・栄区・金沢区との境の緑地帯にある山だ。大岡川はこの円海山に端を発して横浜港に注ぐ中規模河川である。横浜の都会の超近代的な風景と横浜の最後の秘境?を結ぶ川、大岡川の姿を楽しんでいただきたい。
http://www.geocities.jp/kk810558/ooka.htm
■神奈川県横浜市の大岡川は、流域面積約35.6㎢、延長約28kmを有する2級河川である。該当河川は、源流を市内南部の円海山とし、市内5つの区を通り東部の横浜港へ流れる。
■「大岡川」とは 横浜市内を流れる川磯子区円海山周辺が源流の二級河川。
■大岡川は、神奈川県横浜市を流れ横浜港に注ぐ二級河川。上流の日野川と笹下川の合流地点より下流を本来は大岡川と呼ぶ。
■大岡川とは、一時ゴマあざらしの“タマちゃん”が出没して話題となった河川
■大岡川とは・・・源流は横浜市磯子区にある円海山。
港南区→南区→中区→横浜港へと注ぐ全長役12kmの二級河川。
■大岡川は、全長14.04km、流域面積27.25㎢の二級河川です。
磯子区氷取沢町、横浜で2番目に高い円海山を源に、笹下川として、
氷取沢市民の森を流れ、港南区上大岡で日野川と合流、大岡川となります。
■大岡川は源流を円海山に発し、ゲンジボタルが自生する氷取沢市民の森を流れて笹下川となり、上大岡の手前で日野川と合流し大岡川となり、南区、中区を経て横浜港に注ぐ流路延長約12kmの二級河川です。
■大岡川は、全長14.04km、流域面積27.25km2の二級河川です。
■大岡川は、円海山周辺の金沢区、磯子区、港南区に源を発し、上大岡駅近くの笹野橋で合流、南区、中区を経て、みなとみらい地区で横浜港にそそぐ川です。
■大岡川は、横浜市南部にある標高153メートルの円海山近くの「氷取沢市民の森」付近に端を発し、横浜港に注ぐ全長約14キロメートルの2級河川。
■大岡川は、横浜市南部にある標高153メートルの円海山近くの「氷取沢市民の森」付近に端を発し、横浜港に注ぐ全長約14キロメートルの2級河川。「横浜水辺マップ」は、中区・西区付近の、かつて「吉田新田」と呼ばれた下流域をカバーしている。
■大岡川は、磯子区の円海山あたりを源流にして途中で上大岡を通り、京急「南太田駅」付近でY字型に分岐します。北の流れは桜の並木を従えて流れくだり桜木町駅の脇から日本丸近くで海に出ます。南の流れは中村川と名前を変え、首都高と共に石川町から元町に沿って流れ、山下町で首都高と別れて海に出ます。
■大岡川は円海山に源を発し、横浜市の磯子区、南区を貫流し、桜木町付近で東京湾に注ぐ河川である。
流路延長14km、流域面積27.25㎞2で、流域の土地利用のほとんどは宅地であり、横浜の市街地を流れるいわゆる都市河川である。都市河川である大岡川周辺は人口密集地で治水重要性も高く、人の生命と財産が集中している。土地に余裕がないため、雨をどう流すかが治水上重要になってくる。そんな川を管理する上で一番重要なのは洪水対策でいかにして洪水を安全に流下させるかであり、水系には様々な治水上の工夫がされている。都市河川ならでは謎めいた川
(結び)
川の名というのは、上流と下流で呼び名が変わることはママあることだ。
川の規模の大小に関わらず、時代の流れで川の名が変わってしまうこともある。
横浜で一例を挙げるなら
一級河川支流 宇田川の名は 上流で「村岡川」と呼ばれ、現在もその名残を残している。本流は支流が集まっているので、多くの支流を合わせて<本流>の名が付けられている。大きい川となると<水系>という表現もある。
大岡川水系は 笹下川・日野川が合流し一本となり大岡川と呼ばれ蒔田に深い入り江の河口があったのが江戸時代中期まで。
その後、吉田勘兵衛が入り江を埋め立てる大事業に挑戦し、吉田新田が誕生します。ここで大岡川と中村川が誕生します。
まさに大岡川は、中世から近世、近代に至るまで 市街化する河川の歴史を明確に表していると言えるだろう。
大岡川下流域が近代化する過程で「運河の街」であったことを忘れてはいけないだろう。
大岡川を説明するキーワードは
・現在も自然ゆたかな円海山周辺の源流域
・吉田新田の誕生と横浜港に欠かせない川
・住宅が密集する都市河川という宿命
・都市発展に欠かせなかった「運河」
これらが説明されることが望ましいと思う。
(関連ブログ)
No.192 7月10日(火)【横浜の河川】もう一つの大岡川