近年、”異常気象”の冠に相応しい?変な天気が続きます。コラムを書いている今年2017年(平成29年)の夏は日照不足でした。関東は秋になって台風の洗礼を受けています。
※過去にボツにしたコラムに手を入れアップしたものです(202204)
過去の<発生数>
2021年 22個 内上陸 3個
2020年 23個 上陸無し
2019年 29個 内上陸 5個
2018年 29個 内上陸 5個
2017年 27個 内上陸 4個
2016年 26個 内上陸 6個
2015年 25個 内上陸 4個
2014年 23個 内上陸 4個
2013年 31個 unmarkTextString内上陸 2個
天気予報も中々定まらない予測しにくい気象条件が重なっているようです。
戦後横浜を中心に台風・水害史をざくっと調べてみました。
1934年(昭和9年) 9月21日 室戸台風
1947年(昭和22年) 9月13〜15日 カスリーン台風
1948年(昭和23年) 9月15〜16日 アイオン台風
1949年(昭和24年) 6月19〜22日 前線・デラ台風
1949年(昭和24年) 8月31日〜9月1日 キティ台風
1949年(昭和24年) 10月27〜28日 パトリシア台風
1951年(昭和26年) 10月13〜15日 ルース台風
1952年(昭和27年) 6月22〜24日 ダイナ台風
1956年(昭和31年) 10月 豪雨
1958年(昭和33年) 7月 台風11号
1958年(昭和33年) 9月 台風22号(狩野川台風)
1961年(昭和36年) 6月 集中豪雨
1965年(昭和40年) 8月 台風17号
1966年(昭和41年) 6月 台風4号※
1970年(昭和45年) 7月 集中豪雨
1971年(昭和46年) 8月 台風23号
1972年(昭和47年) 9月 台風20号
1973年(昭和48年) 11月 集中豪雨
1974年(昭和49年) 7月 集中豪雨
1976年(昭和51年) 9月 台風17号
1977年(昭和52年) 9月 台風9号(沖永良部台風)
1979年(昭和54年) 10月 台風20号
1981年(昭和56年) 7月22日 集中豪雨
1982年(昭和57年) 9月 台風18号
1990年(平成2年) 9月30日 台風第20号
1991年(平成3年) 9月18日〜20日 台風第18号
1991年(平成3年) 9月18日〜20日 台風第18号
1999年(平成11年) 8月13日〜14日 熱帯低気圧による集中豪雨
2002年(平成14年) 10月1日 台風第21号、三浦半島を通過
2004年(平成16年) 10月9日 前線・台風第22号、トラック転倒
2007年(平成19年) 9月5日〜7日 台風第9号
2009年(平成21年) 10月7日〜8日 台風第18号
2010年(平成22年) 9月8日 台風第9号
2012年(平成24年) 6月 台風第4号(上陸)
2012年(平成24年) 9月 台風第17号(上陸)
2013年(平成25年) 9月 台風第18号(上陸)
2014年(平成26年) 7月 台風第11号(上陸)
2014年(平成26年) 9月 台風第8号(上陸)
2014年(平成26年) 9月 台風第18号(上陸)
2014年(平成26年) 9月 台風第19号(上陸)
2016年(平成28年) 8月 台風第7号(上陸)
2016年(平成28年) 8月 台風第9号(上陸)
2016年(平成28年) 8月 台風第10号(上陸)
2017年(平成29年) 7月 台風第 3号(上陸)
2017年(平成29年) 7月 台風第 5号(上陸)
2017年(平成29年) 8月 台風第15号(接近)
2017年(平成29年) 9月 台風第18号(上陸)
2017年(平成29年) 10月 台風第21号(上陸)
2017年(平成29年) 10月 台風第22号(接近)
2018年(平成30年) 7月 台風第12号 神奈川接近 三重上陸
2018年(平成30年) 9月 台風第21号 徳島上陸
2018年(平成30年) 9月 台風第24号 和歌山県上陸
2019年(令和元年) 9月 台風第15号 三浦半島通過、東京湾、千葉県上陸
2019年(令和元年) 10月 台風第19号 ※伊豆半島上陸
※市内 浸水害 山がけ崩れ災害多発
「横浜の災害」「気象庁」より抜粋
戦後の横浜は毎年のように夏の水害があり、死者を含め多大な被害がありました。
上記は被害程度の大きいものを抜粋しているだけですので、さらに累積の被害を積み上げていくと更に市内の被害規模は拡大します。
横浜で戦後最大の被害は、1966年(昭和41年)に神奈川を直撃した台風4号国際名は「Kit(キット)」です。
死者 32人、傷者 50人
住家全壊 110棟、住家半壊 140棟
床上浸水 9,835棟、床下浸水 35,922棟
り災世帯 51,599世帯、り災人員 197,880人
がけ崩れ 850箇所
※横浜市内のみの被災状況です。
市内に甚大な爪痕を残した台風です。
この被害から国・神奈川県・横浜市は緊急災害対策に乗り出し、市内各地の治水事業が行われます。
大岡川の分水路事業もこの台風4号がキッカケとなりました。
第834話 1966年(昭和41年)6月28日女性職員3人犠牲
http://tadkawakita.sakura.ne.jp/db/?p=7790
大岡川分水路について
浸水被害だけのデータは
http://www.city.yokohama.lg.jp/doro/kasenkeikaku/menu/chisui/suigai.html
に一覧が掲載されています。
この水害史において、今日取り上げようとしている
昭和56年 7月22日の集中豪雨は、被害規模においてはそれほど甚大なものではありませんでした。
たまたま、7月22日に関する資料を探していたこともあり、この<集中豪雨>についてもう少し追いかけてみると、新しいタイプの災害の<走り?>だったのかもしれません。
昭和56年7月22日 集中豪雨
住家一部壊 7棟
床上浸水 149棟
床下浸水 413棟
り災世帯数 176世帯
り災者数 480人
がけ崩れ 4箇所
「北海道東方海上の低気圧から南西にのびる寒冷前線が能登半島付近に達していた。また、上空にはオホーツク 海方面から寒気が、南からは弱い熱帯 低気圧が運ぶ暖かな空気が入って、大 気が不安定となった。このため、神奈川県東部では前線の南下に伴い、夕刻にかけ各地で激しい雷雨となった。ま た、市内で落雷による火災が計5件発生した。最高時雨量 63mm(港北区)(横浜の災害より)」
この災害がこれまでの災害と少し異なっていたのが「落雷」による被害でした。
当時の新聞記事によれば
「東京で連続十六日間も真夏日が続くなど、うだるような暑さのなか、関東地方は二十二日夕、寒冷前線の接近で、突然雷を伴った猛烈な強い雨に襲われた。
横浜では午後五時から同六時までの一時間に六四ミリの豪雨となり、七月としては観測史上の新記録となった。」
この雷雨で「ラジオ関東」の放送が中断、羽田の全日空機が直撃を受け職員が怪我、新幹線も東京新横浜間で全面ストップし在来線もかなりダイヤがみだれます。
雷による都市機能のダメージが顕著になり始めた災害といえるのではないでしょうか。
(その他の7月22日)
1925年(大正15年)7月22日
鶴見臨港鉄道建設着工(横浜市史Ⅱ第1巻下p113)
横浜市史とはいえ他の「鶴見臨港鉄道」関連の資料から<裏>が取れないので中止しました。