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No.361 12月26日(水)横浜に戻って快進撃!

1933年(昭和8年)12月26日の今日、
日本初の自動車量産メーカー自動車製造㈱が
横浜市神奈川区守屋町(現宝町)に誕生しました。
この自動車製造㈱は翌年の6月に日産自動車となり、
2013年に創立80周年を迎えました。

日産自動車本社が銀座から故郷横浜に75年ぶりに戻って来たのが2009年8月です。
日本ビッグスリー(トヨタ・日産・本田)の大手自動車メーカーの一つで、
現在はフランスの自動車製造大手ルノーとアライアンスを結び同社の傘下に入る国際企業となっています。
簡単な歴史は下記を参照してください。
(戦前の貴重な動画もリンクされています)
http://www.nissan-global.com/GCC/Japan/History/history/main.html

(簡略史)
日産が主力自動車とした「ダットサン」は
『快進社自働車工場』にルーツがあります。
注目「自働車」ですからね!!

1911年(明治44年)橋本増治郎が東京府渋谷村麻布広尾88番地に『快進社自働車工場』設立します。このときの資金協力者三名、田健治郎・青山禄郎・竹内明太郎のイニシャルを並べDATとし、脱兎(DAT)のごとく“快進社”と命名します。
1914年(大正3年)上野で開催された東京大正博覧会にV2気筒10馬力エンジンの「脱兎号(DAT CAR)」を出品し、銅牌を受賞します。
純国産自動車の1号車といわれています。
一方で、大阪に久保田権四郎という起業家がいました。
1921年(大正10年)に
ゴルハム式三輪車をベースに、日本人技師後藤敬義とゴルハムとの共同設計で、四輪自動車のリラー号」を完成させます。
この二社が関東大震災を乗り越えるために手を結び、
「ダット自動車製造株式会社」が誕生します。
DATが製造したのが「DATSON」(ダットソン)でしたが
SONは「損」に繋がるということで「SUN」に換え「DATSUN」(ダットサン)が誕生することになった訳です。

その後
石川島自動車製作所(石川島造船資本)に吸収され、日産の前身「戸畑鋳物株式会社」傘下に入り「戸畑鋳物・自動車部」となります。
1933年(昭和8年)12月26日戸畑鋳物・自動車部からダットサン製造に関する一切を引き継いで、『自動車製造株式会社』を創設し今日の日産になっていきます。

日産50年史より

1935年(昭和10年)4月には日本で最初の量産工場と言われた横浜工場から小型自動車『ダットサン』を製造、日産ダットサンブランドが誕生します。

(戦前の自動車製造)
ここで少し戦前の日本における自動車製造の状況について紹介しておきます。
日本のモータリゼーション、自動車の普及は大正に入り活発になります。
当時日本には国産能力が殆ど無く、輸入に頼っていました。
昭和に入りアメリカからフォード(関東)とGM(大阪)が工場進出し、量産体制に入ります。
部品の殆どがノックダウン方式でしたから国内産業も育たない状況にあり、日本メーカーの自立が国策としても望まれていました。昭和7年ごろ国内市場16,000台の内、国産が880台(6%弱)しかありませんでした。
日本の自動車メーカーは
トヨタも日産も最初は「トラック市場」参入から出発しています。

(余談)
「ダット自動車製造株式会社」を吸収した石川島造船といえば、
「横浜製鉄所」繋がりです。
横浜で初めて設立された近代的企業「横浜製鉄所」は慶応元年9月下旬竣工、開業しました。その後、1879年(明治12年)平野富二(後の石川島造船所)の経営に移ります。
No.236 8月23日(木)帰浜した鉄工所

No.108 4月17日 活きる鉄の永い物語

他に横浜関連大企業といえば、
古河電工と横浜ゴムも横浜創業の企業ですね。

(余談2)
日産の前身「戸畑鋳物株式会社」は、創業者鮎川義介が北九州戸畑で起こした企業です。鮎川義介は是非下記リンクをお読み下さい。
戦前経済史には欠かせない人物です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/鮎川義介

さらに横道
東京と大阪の企業が創り上げた「ダット自動車製造株式会社」が石川島造船と合併し「自動車工業株式会社」を作ります。
ちょっと間違いやすいのですが、その後鮎川義介に吸収されできた会社が『自動車製造株式会社』です。
このとき、一部の技術者達が「自動車工業株式会社」に残り、後のいすゞ自動車になっていきます。
このいすゞ自動車のデザイン部門の風雲児だった中村史郎※を引き抜き
現在の日産自動車常務執行役員、チーフクリエイティブオフィサー(CCO)に就任しています。
※「インパルス」「ピアッツァ(二代目)」「ビークロス」を設計

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